百々 和宏 挨拶その2(かなり長文)

さて、ニューアルバム「ゆめとうつつとまぼろしと」の情報がいろいろ解禁になりました。
とその前に1つ、どうしても皆さんに言っておきたい事がある。

「君ら、やっぱりロンリーボーイ&ロンリーガールなのか?」

ツアー先行発売のワタシの肝いり企画「Waiting on a friendペア割」、その受付数を見てこうこぼさずにはいられなかった。
結果をいうと東京を除くすべての会場でペア割が通常前売りの数を下回っていた。

札幌、こちらは2公演のペアだから別枠だがまぁよくがんばった、嬉しい。
大阪、なかなか奮闘しています、この勢いでがんばりましょう。
福岡、我が地元なのに・・・親不孝通りが泣いている。
名古屋、さびしんぼうだらけの街なのか。
仙台、ロックンロールは鳴り響かないのか。

まぁペア割は1枚で2人分だから人数で考えるとペア割購入者がどこも若干上回ったりするんだが、んなこたぁ関係ない。
特に名古屋、元はといえばこの企画は名古屋のイベンターのハゲた人(言っちゃった)がワタシの客に対して失礼な表現を使って、
それを覆す為にはじめたモノだからぶっちぎりでペアペアになって当日TOKUZOで彼のアタマに皆で唾を吐きかけて
もっともっとハゲ散らかしてやらんと意味が無いのです(冗談ですよ)。

というワケで今回の第2次先行でも引き続き「Waiting on a friendペア割」と「Waiting on a friend 札幌割」を敢行します。
未だチケットを購入されてない方は今一度周りを見渡してツレを探し出して下さい。
もう友達以上恋人未満でも、友人の彼女でも、不倫関係でも何でもいい。
百々和宏とテープエコーズのライブは1人で観るより仲間と酒を呑みながら楽しんだ方が絶対盛り上がります。
まぁ、たとえ1人で来ても終演後は酔っぱらって皆仲間みたいになるけども。

こうなったら「全国対抗さびしんぼうナンバーワンはどの土地だ?」をやります。
その結果をライブ会場で報告、ペア割が一番さばけなかった会場ではワタシ大説教します。
現状では名古屋と仙台が怪しいです。お互い負けないように頑張って下さい。

閑話休題

アルバムの内容に関して1つ、ゲストのお話を。
前作に引き続き水野雅昭、AKITO、ズクナシのみなさんが素敵な音を奏でてくれました。
M1「ロックンロールハート(イズヒアトゥステイ)」ではVOLA有江くんのニューヨーキーなフレットレスベースが、
M4「すきにして」ではサトケンさん(三宅裕司にコマワリ君と命名されたTVを生で観ていました)の
優しいチェロとグロッケンシュピールが、このアルバムに彩りを加えてくれました。
そして向井秀徳、彼の参加はちょっとしたドラマでした。

ワタシがカシオトーンのリズムをランダムにいじって遊んでいるうちに何とも妙な曲の原型が出来上がった。
仮タイトル「カシオトーン」と命名してそれにジャーマンプログレちっくなギターとベースを乗せたらますます妙な曲になった。
他の曲と並べると随分雰囲気が違うので、どうせならもっとトンガったアレンジを施してやれとあれこれ考えていたら、ふと向井くんが浮かんだ。

ただ同郷で昔から知っている向井くんではあるが、実のところを言うと、そこまで深い付き合いではなかった。

ナンバーガールでいうとワタシは向井くんより先に他のメンバーと知り合いだったので対バンしても他の3人と話す事の方が多かった。
モーサムより数年早く東京に出たナンバーガールはメジャーシーンに躍り出て一気に時代の寵児となった。

ツアーで東京に行くと「ナンバーガールとは友達か?」と対バンに何度も聞かれ、
取材を受けるとナンバーガールの追従者扱いされ、その度に辟易した。

その頃下北ライブハウスの打ち上げの席で会った向井くんに
「そういう風に言われてムカつくけんナンバーガールがなんぼのもんじゃいって言うわ」と言った。
彼は真顔で「いいですよ」と言った。ワタシは後になって後悔したが、それでますます話しづらくなった。

なんのことはない、ワタシが彼をやっかんでいただけだった。

その後ZAZEN BOYSとなった向井くんはますます活動を先鋭化させた。
端からみていても「いいスタンスでやってるな」と思った。

彼は会うと必ず「ペチカのエンディングのギターがいいとか「COWのイサムは炸裂しとーね」とか感想をくれる。
ワタシはずっとタイミングを探っていたように思う。彼にリスペクトを伝えるタイミング。

だから今回、「カシオトーン」のアレンジを考えていて向井くんの顔が浮かんだ時、迷いなく彼に客演を頼もうと思った。
タイトルは「ともをまつ」になった。歌入れが済むとすぐさま音源データを添えたメールを彼に送った。

「この曲を聴いてもし興が乗るようやったら向井くんの声を入れて欲しい。
言葉は何でもいい。異物を注入して欲しい」と。
どうなることかと気を揉んでいたら翌日、あっさりその返信が来た。
「かっちょいい曲だったので、なんも深いこと考えずに歌など、異物感をブチこみました」

そこに添付された音源データは上書きされており、スタジオで大音量でかけてみると
中盤からエンディングまで向井くんの珍妙なラップとお囃子が乗っかっていた。This is向井秀徳、最高だった。
「前作の「ロックンロールハート」が好きで、あれはヨカです」

いつもの通りに感想も添えられていた。そう、向井くんはいつも粋な事をやらかす男。ギャランティの話をするより先に曲が完成した。
ミックスダウンでは向井くんの声をワタシのよりデカくしてもらった。これはワタシなりの彼へのリスペクト。
それから向井くんと電話で話をして、「近いうちに2人で呑みに行こう」と約束した。そこであらためてゆっくり話そうと思う。

ちなみに、「ともをまつ」というタイトルはローリングストーンズの「Waiting on a friend」という曲の邦題から拝借していて、
ワタシはこの曲のプロモーションビデオが大好きだ。

玄関先の階段に座って友を待つミックジャガー、タバコふかしながら揚々と歩いて来るキース。笑顔でハグする2人。
さんざん仲が悪いと言われていた2人がビデオの中でそうするだけで、コチラもいい気分になってしまう。

そんなこんなのストーリーの元、今回ワタシの独断でツアーチケットに「Waiting on a friend」という言葉を忍ばせたのです。
よろしかったらぜひツアーに友を誘って、ライブハウス前で待ち合わせて下さいませよ。

長々と挨拶失礼しました。

百々和宏

TOPへ戻る